札幌市

山の手

曹洞宗浄国寺の駐車場に安置されている、丸彫り合掌姿のお地蔵さん。台石前面に「交通安全」、裏面に「昭和60年建立」との刻みがありました。

こちらは、境内におたちのお地蔵さん。

 

浄国寺は、毎年7月に地蔵盆をとり行っています。

当日は、お地蔵さんの周りに、「地蔵盆」や「交通安全」と書かれた献灯が飾られ、露店がならび、いろいろな余興もあります。

桑園

札幌駅と桑園駅との中間点あたりにおたちの「桑園延命地蔵尊」です。

昭和63年に鉄道が高架化されるまで、このあたりでは線路へ飛び込む人が絶えなかったとのことです。

そこで、地元の方々は、死者の供養と魔除けのために、日本一大きい地蔵尊をつくることにました。

天才的な石工といわれた札幌生まれの阿部独海に依頼して、昭和2年に建立した地蔵尊は、全長2.6m、重さ3.5t。

羊ケ丘

交通量の多い国道36号沿いにたつ三面が透明アクリル板のお堂に、陶像の観音さまが安置されています。丈は1mほど。

お堂側面の説明書きには、

「この観世音菩薩は昭和40年ごろ、旅行中の大学生2名が事故のため亡くなりました折り、遺族が寄託したお金を基に、白石交通安全協会(現豊平交通安全協会)が建立したものです。以後、国道36号沿線の交通事故物故者の霊を慰めつつ交通安全を祈り立ち続けているものです」と記されていました。

平岡

北海道八十八カ所霊場の第八十五番札所である真言宗観霊院の門前。

右手に錫杖左手に宝珠を持った「交通安全守護地蔵尊」がおたちです。

白いレース飾りがついた真新しい赤いよだれかけには、般若心経の276文字がありました。

簾舞

国道230号沿いにたつ石碑正面に、「簾舞二星岱三十三観音参拝入口」とあり、両側面に「交通安全守護」と刻まれていました。その奥に4体の地蔵尊(赤い矢印)がおたちです。

落石のためか、お参りの折には一番目のお地蔵さんは頭部の右側が欠けていて、二番目のお地蔵さんは台石からずり落ちていました。

写真は三番目のお地蔵さんです。

百合が原公園

百合が原公園に祀られている「篠路烈々布地蔵菩薩」です。

このお地蔵さんは明治の中ころ、現在の公園敷地内にあたるところに建立されました。昭和42年に敷地内での移設があり、さらに現在の公園北角へ遷座されたのは昭和54年のこと。

訪ねてみるとお堂は札幌軟石の造りで、そこには丈五〇㌢ほどで合掌姿の丸彫り座像が安置されていました。尊像は今、お着物を着て、首に金魚の形をした蝦蟇口(がまぐち)と毛糸の手袋を下げ、百合が原公園通りの交通安全を見守っています。

 

新琴似

このお地蔵さんは、市の広報誌『東区今昔』に「今は交通安全祈願に一役」と記されている「丘珠烈々布地蔵尊」です。

明治26年に地域の守護地蔵尊として北41条東20丁目付近に建立され、その後昭和16年に北42条東17丁目へ移設。さらに平成18年、新琴似4条16丁目の三和交通株式会社本社営業所前へ遷座されました。

毎年9月の秋の交通安全週間に合わせて、同社の「交通安全祈願祭」が執り行われています。

ここで、特徴のある札幌の5体の地蔵尊を紹介します

南1条西3丁目

「ラ・ガレリアビル」前にたつ等身大で、宇宙人のような像。

造形作家、松本純一さんの作品「元気地蔵」です。制作は滝川市の大仏師、長岡凞山(きざん)さん

 冬になると、毎年異なる色の衣装で街を行く人の目を楽しませてくれます。黄色は23年。そして平成26年、冬服の胸にはこのビルに開店した衣料品店の「H&M」のマークがあり、27年は金色の服でした。

三面地蔵尊

旭ヶ丘の浄土宗観音寺に、お顔が正面と左右の斜めうしろに各一面、合わせて三面のお地蔵さんがまつられています。

像高はおよそ3m。制作は、元気地蔵と同じく長岡凞山(きざん)さんです。

ご住職に理由を伺がったところ、「世の中をひろく見渡していただくためですよ」とのこと。

狸地蔵

狸小路5丁目にある本陣狸大明神社に、狸地蔵がまつられています。

後ろに掲げられている「狸地蔵八徳」の六番目は、「杖をこすれば交通安全災難を除き幸運を導く」。

車を運転する方は、ぜひお参りください。

開拓地蔵

円山のすそのにある真言宗地蔵寺に、札幌で一番古いお地蔵さんがまつられています。

地蔵寺は、寺カフェ「はなれ」があるお寺です。

本像は明治4年、南1条西5丁目あたりに建立されましたが、街の発展とともに移動を余儀なくされ、点々とするうちに首がなくなって、「首なし地蔵」と呼ばれたこともありました。

麻生

麻生の5差路交差点付近を神出鬼没に、いや、「仏出鬼没」に動きまわっている「けっぱれ地蔵」さんです。

この日は郵便局の前におたちでした。

「皆様からの浄財は、地域の交通安全や防犯活動団体に寄付させて頂きます」と宣言し、行き交う人びとの幸せを見守っています。平成31年1月末のお供えものは感謝の手紙を添えたバレンタインデー・チョコ。みんなに愛されているお地蔵さまです。