国道40号脇にある名山台展望台の駐車場に、昭和54年建立の「交通安全祈願之碑」がたっています。

その碑文を次に紹介します。

曠茫千里のサロベツと玲瓏とした利尻山を俯瞰しながら走る国道四十号線

私達は　この素晴らしい天塩路を悲惨な交通事故で汚したくありません

あなたは　いま　何を想い　なにを考えてハンドルを握ってきましたか　

徒らに先を急ぎ　きまりに背きますと　美しいサロベツの女神が眉を

顰め　パンケ沼の主が魔の笑をうかべます

あなたの　掛け替えのないたった一つの　尊い生命を　大切にして下さい

私達は　この地で交通事故のため幽冥界へ去った人々を追善しながら　

交通事故が発生しないよう敬虔な祈りをささげます

あなたはいつも「徒らに先を急ぎ　きまりに背いていませんか？」

市街地を通り過ぎたまちはずれに、交通安全旗が並んでいました。

等身大ほどもあるアンパンマン、ドラえもん、キティちゃん、バイキンマンがたつその端に、「交通安全祈願地蔵」。

赤い頭巾と、赤いよだれかけをつけ、合掌しています。交通安全協会が平成22年に建立した尊像で、本書で紹介してきたお地蔵さんのなかで最も新しい像です。アンパンマンたちが大きいので、身の丈80cmほどのお地蔵さんが小さく見えます。

毎年ハクチョウやカモなどの渡り鳥が多く飛来する大沼。そこから流れ出る声問川の河川敷でお地蔵さんをお参りしました。尊像は国道238号と下流側の旧国道との間におたちで、台石に「延命地蔵」と刻まれています。丈は130cmほどで、赤いマントをまとい、赤いよだれかけをつけた丸彫りの合掌像。水難者の慰霊のために造立されたお地蔵さんかもしれませんが、慈悲深いお地蔵さんです。行き交う子どもたちや車の交通安全を見守っておられます。