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札幌円山のお地蔵さん

JR札幌駅から直線距離でわずか約4kmのところに、標高225.9mの円山があります。

1921年(大正10年)に、この山は円山原始林として国の天然記念物に指定されました。円山原始林自然遊歩道を歩くと、あちらこちらにこのような大木が見られ、北西に位置する大師堂の登山口から登ると、頂上までは1 kmほどです。

この登山道に沿って四国八十八箇所霊場が開設され、八十八体の石仏がまつられました。1914年(大正3年)のことです。

 

四国の霊場で地蔵菩薩像を本尊としているところは、5・ 19・20・25・56番札所の5寺だけです。でも、円山の八十八箇所霊場では登山コース沿いに64体ものお地蔵さんがおたちでした。大師堂の脇にあるお堂に安置されている可愛らしい小さな石仏を含めると、お地蔵さんは100体ほど。

大和路の写真家と呼ばれた入江泰吉氏は、「仏像はもともと、外形的には人間の姿を形どられている。その種類も非常に多く、表情もまた多種多様である。だから、似た顔の人たちがいても、不思議ではないはずである。」と語っています。(『仏像の表情』新人物往来社)

ということで、以下に紹介する6体のお地蔵さんの写真は、お顔が分かるアップ。どこかのだれかに似たお地蔵さんがおられるかもしれません。

霊場開設から約100年が経ちました。観音さまお不動さんなども合わせると、いま安置されている石像は200体を超えます。その姿や表情は多様で、厳しい北海道に生きてきた先人のひたむきな信仰心を感じました。

最後に、紹介するお地蔵さんの「よだれかけ」に微笑ましいメーッセージ。

「さいごまで がんばるぞ!! もとまちほいくえん」

 

 

札幌市民みんなに愛されているお地蔵さんたちです。