1.さんかくやまベェが見守る横断歩道

ここは札幌、山の手通の交差点。

横断歩道の手前に何か二つ見えます。

札幌市西区の環境キャラクター、「さんかくやまベェ」が子どもたちを見守っているのです。

 

上の写真で右側の道路を進むと、約300mのところに「山の手南小学校」。

 

 「さんかくやまベェ」は、ブログで紹介しました。

こちらは北1条・宮の沢通。

右奥にコンビニが見えています。

 

ここの歩道にも何やら貼ってあります。

ここには横断歩道がありません。

 

片道2車線の交通量の多い道路です。

渡るためには、左右とも約150m離れたところにある信号機まで行かなければなりません。

 

昨年も、コンビニで買い物をした高齢者が横断しようとして死亡する事故が発生しています……。

2. 信号機のない横断歩道

拙書『交通安全を語る仏さま』で、次のように書きました。

 

「信号機のない横断歩道での歩行者横断時における車の一時停止状況全国調査2018」が、日本自動車連盟(JAF)のホームページに載っています。歩行者が渡ろうとしている場面で一時停止した車は全国平均で8.6%。最も高かった長野県は58.6五%で、北海道はわずか4.2%……。

栃木県は一時停止した車が0.9%で、全国ワーストワン。テレビCMや栃木県警のホームページで紹介している「脱!止まってくれない栃木県」という動画が、話題になっています。

道路交通法第38条は、信号機のない横断歩道でも歩行者優先を規定しています。しかし、車優先社会の考え方が、信号機のない横断歩道は車が優先という悪しき運転マナーを定着させてきたようです。「そこのけ、そこのけ、車が通る」と……。

『高齢ドライバー』を著した所正文・立正大学教授は、次のような心配をしていました。

「こうした自動車優先主義が定着している日本の交通社会に対して、日本在住の外国人から心配の声が上がっている。2020年の東京五輪には、多くの外国人が来日し、日本の交通社会に大いに戸惑い、交通事故が起こることが懸念されるからである。イギリス、オーストラリアでは、信号機がなくとも、歩行者が横断歩道を渡ろうとしていれば、車は必ず止まる。それが交通規則であるからである。」と。

JAFが2020年10月に、2020年版の結果を発表していましたので紹介します。

 

調査は今回で5回目、一時停止率としては年々上がっているものの、全国平均は前年から4.2ポイント増の21.3%でした。依然として約8割のクルマは止まらないのです。

都道府県別で見ると、1位は長野県の72.4%、2位は兵庫県の57.1%、3位は静岡県54.1%でした。ワーストは宮城県の5.70%。北海道はというと、22.4%で21位。

 

全国では8割のクルマが止まらないのに、長野県では7割のクルマが止まるというわけです。長野県警の交通企画課にこの理由をたずねたところ、「いや、まだ3割のクルマが止まっていません」と話していたそうです。県警の意気込みからして違うようですね。( 乗りものニュース https://trafficnews.jp/post/100997

 

2018年の調査で、一時停止率が全国最低だった栃木県は、JAFの調査結果を逆手に取り、大々的なキャンペーンと取締りを展開した結果、2019年には13.2%まで向上し、今回は14.2%でした。

 

国土交通省によると歩行中および自転車乗車中の死者数は、人口10万人あたり2.0人。これはG7(日本、アメリカ、カナダ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア)の中でワーストです。

 

【信号機のない横断歩道でのルール】

・横断歩道を渡ろうとする歩行者がいる場合には一時停止をし、その進行を妨げてはいけない。

・明らかに横断歩行者がいない場合のほかは、いつでも停止できるように速度を落として進行しなければならない。

・横断歩道内およびその手前30mは追い越しや追い抜き禁止。

(くるくら https://kurukura.jp/safety/20201022-20.html)から。

 

上はジャフメイト2021/1 から借用した写真です。

車が止まってくれないので、二人の小学生が困っていますね。

 

横断歩道で歩行者が手をあげれば、車の9割近くは止まってくれるーー。

読売新聞(2020•9•18夕刊)に、長野県の女子高校生の研究結果が紹介されていました。

詳細は下記のファイルをダウンロードしてください。

 

ダウンロード
「横断歩道で手を上げて」
12012404.PDF
PDFファイル 446.1 KB