今回と次回は、仏教でいうところの地蔵菩薩ではないが、地蔵と呼ばれている石像を紹介します。どちらも『交通安全の仏さま』に記しましたが、さらに詳しく紹介します。
今回は「元気地蔵」。札幌市中央区南1条西3丁目のラ・ガレリアビルの前にたつ、等身大で宇宙人のような像です。1995年に制作されました。その足元には、作品名と造形作家の松本純一氏、制作にあたった滝川市の大仏師長岡凞山氏などの名前が刻まれています。
左から、元気地蔵の後ろ姿、右側面、そして左の目です。
このお地蔵さんは毎年冬になると、色々な衣装で街を行く人の目を楽しませてくれます。
左は2010年で、黄色の服。
中央は2014年の冬。元気地蔵の胸には、このビルに新たに開店した衣料品店の「H&M」のマーク。
右は2015年で、金色の服。
平成26年1月22日の朝日新聞夕刊は、「様々な姿で、にぎやかな交差点を見守る現代のお地蔵様。ご利益は、温かなユーモアと朗らかな笑いに違いない」と報じています。
次のホームページで、2008年から2019年までのファッションを見ることができます。
元気地蔵のイメージにつながる、松本純一氏の作品の一部を紹介します。
中央区北3条西3丁目 のヒューリック札幌NORTH33ビル前にたつ、EYESとMANAZASHIです。両者とも1992年の制作。EYESは歩道にたっていましたが、MANAZASHIを見ることはできませんでした。現在、このビルは札幌駅前の再開発のため解体され、新たなビルの建設中。ビルが完成した折には、MANAZASHIが再度登場してくれるといいのですが。
MANAZASHIの写真は、ホームページ「札幌の歴史・文化情報館」から引用しました。
https://sapporo-jouhoukan.jp/sapporo-siryoukan/choukoku/choukoku-index/index.html
同上のホームページに、DONGURI(左)、みどり子フアミリー(中央)、Flore(右)が載っています。
DONGURIは、厚別区厚別中央4条3丁目の信濃小学校で子供達の成長を見守る像です。「信濃小学校という一本の大きな木に実った、個性豊かで元気いっぱいのどんぐりたちが、どんなことにもくじけない、たくましい木に育ってほしい」との思いが込められているとのことです。
最後に、元気地蔵のイメージとは異なりますが、中央区南4条西5丁目のF-45ビル前にたつ巨大な卵を紹介します。1991年に平田まどか・松本純一が制作したタマゴ。鶏卵にすると何個分になるのでしょうか?