散歩の途中で見つけた、ナス科の花を紹介します。
これぞナス。家庭菜園で育っていたものを撮らせてもらいました。
関東では「ナス」、関西では「ナスビ」と呼ぶ人が多く、北海道はナスビ派が優勢とのことです。でも、「一富士二鷹三茄子」の場合はナスビですね。
美味しそうな、まるナス?
いいえ、これはアップの写真。イヌホオズキの果実(液果)で、直径7ー8mmほどの大きさです。
「三河の植物観察」によると、イヌホオズキ類には、普通、葉や茎など全体に毒性のあるソラニン(Solanine)が含まれています。これはジャガイモの芽にもある毒。気をつけてください。
https://mikawanoyasou.org/50on/wamei-data.htm
「イヌ」は有用ではない植物につけられる語ですが、イヌホオズキを乾燥加工したものは「竜葵(りゅうき)」と呼ばれ、漢方の生薬として使われるそうですので、イヌはちょっとかわいそう。
これがイヌホオズキ(犬酸漿)。高さは15cmほどで、ナス科、ナス属の1年草。花は白く、径は約8mm。果実(液果)は緑で、やがて黒に変わります。
散歩で見つけたものは、ほとんどがアスファルトの舗装道路と縁石のわずかな隙間に根をおろしていました。隙間がスキなのでしょうか? イヌにオシッコをかけられそうなところです。
果実の断面です。中には径約1mmの円盤状の種子が入っていました。
「三河の植物観察」によると、イヌホオズキ類の分類は果実に含まれる球状顆粒や種子の数、種子の大きさを重要なポイントとするため、判別は困難とのことです。ということで、今回はとりあえず、イヌホオズキとしておきます。
イボタノキの生け垣にからみついていたヤマホロシ(山桯)。
この生け垣では毎年7~10月まで花を咲かせています。
普通は山地の林内で見られる花で、こちらもナス科、ナス属で、つる性の多年草。
紫色の花は径約15mm、黄色い雄しべの葯(やく)がとても目立ちます。
径約7mmの果実は、はじめは緑で、熟すと赤くなります。
葉は普通の形のものもありますが、右の写真のように三っにわかれる葉もあります。
果実の断面です。中には径約2mmで、円盤状の種子が入っていました。
左の写真はマンションの植え込みで見つけたホオズキ。葉の緑と朱色のコントラストがきれいでした。
右は空き地で見つけたオオセンナリ(大千成)の栽培種で、クロホオズキとも呼ばれます。
少しわかりにくいですが、花の後ろに見えている黒いホオズキがわかるでしょうか?
オオセンナリのホオズキは、はじめは緑色で後に薄茶色になります。
なお、大千成というと在来種のようですが、この花は南アメリカからやってきました。
ホオズキもオオセンナリもナス科です。
次回は散歩の途中で見つけたゲンノショウコの仲間を紹介する予定です。