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新発寒の延命地蔵尊

札幌市手稲区の下手稲通りと追分通りが交差するところに、タマホーム札幌支店の大きな看板がたっています。

 

その横に黄色の矢印で示したお堂がたっていました。

横に移動して、お堂を正面から見たところです。

 

お堂の左には「馬頭大神碑」、さらにその左に「発寒稲積開拓記念碑」が並んでいました。

お堂にまつられていた仏さまは三尊。

右側の像は台石に「延命地蔵尊」との刻みがあり、左足を踏み下げて座しています。

 

『延命地蔵経』が説く地蔵菩薩は、左手に錫杖を執り、左足を踏み下げてはんかふざ半跏趺座とし、右足を立て膝する姿です。

 

新発寒の延命地蔵尊はこのお姿とやや異なりますが、左足を踏み下げていました。わたしがお参りしてきた道端の仏さまでは初めての彫りです。

 

本尊は、昭和17年に北発寒婦人部が建立したと、『札幌の碑』(札幌市教育委員会文化資料室/編、1988年)が記していました。

 

右手に持つ錫杖は通常の形状とやや異なります。よだれかけを上げてみると、左手には宝珠。

破損した鼻の修復跡が痛々しいのですが、しっかりと開いた目は世の中を見据えているようです。

中央の地蔵尊は合掌。その目は切れ長でほぼ閉じていました。

左端の像は高さ30cmほどで、薪を刻んだような感じです。

どのような仏さまなのでしょうか。

帽子を外してみると、円空さんが刻んだ観音像を思い出しました。

ここで紹介した3像は、地域の交通安全を見守っておられます。

三尊が着けていた帽子、よだれかけ、頭陀袋は、みなおそろいの新しいもの。

お世話をしている方々の愛情が感じられるお参りでした。