昨年10月中旬の秋晴れの日、平和の滝へ行ってきました。この滝は札幌市西区を流れる琴似発寒川の上流部にあり、最大落差は約10m。
「平和の滝入口」行きのJRバス(琴42)に乗り、終点の「平和の滝入口」で降りました。
ここから平和の滝駐車場までは、約1.5km、徒歩で20分ほどのゆるい坂道です。
駐車場を囲むようにして、平和の滝側から順に、
相沢良の青銅レリーフ、
お地蔵さん馬頭さん、
手稲山の登山口、
平和の滝道場、
韓日友好の広場の碑と韓國人殉難者之慰霊碑などが並んでいます。
青銅レリーフの相沢良は、戦争に反対し働く者の解放のために闘った女性活動家。
社会主義活動と反戦運動への弾圧が高まる中、逮捕・投獄され、拷問により獄死寸前で仮釈放されました。しかし、1週間後の昭和11年1月に25歳8か月の生涯を終えています。
「フルヤのウインターキヤラメル」で有名な、札幌市内にあった古谷製菓の女性労働者とともに、平和の滝までハイキングを行っていたとのことで、この地に碑がたてられたそうです。
その右隣りに、6体のお地蔵さんがおたちです。
向かって右側の2体は比較的新しい石像でした。
蓮華座におたちの一番大きな石像は、像高90cmほど。
台座正面に浮彫りで「慈愛地蔵尊」、側面に昭和四十年八月五日 三寶講 加藤ソデ」の刻みがありました。
建立後56年が経過、左顔面などに修理の後が残る尊像です。
左側には3体がまつられていて、
そのうち最も左側の像は浮彫り合掌立像、
中央は丸彫り合掌坐像。
頭部が落ちたのでしょうか、首の部分に修理のあとがあります。
写真はありませんが、右側の像は浮彫り合掌立像で、2人の子供がすがりつく姿でした。
これらのお地蔵さんを語る資料は、今のところ見つけられずにいます。
黄色の矢印が上記のお地蔵さんたち。
その向かいにたつお堂(赤色矢印)は空き家状態?
そのとなりには馬頭観音碑(青色矢印)がたち、
さらに右手は手稲山の登山口。
注意書きに「熊出没注意」とありました。
さらに右手は日蓮宗の寺院。
門柱に「北海身延奥之院」「平和の滝道場」とありましたが、今は閉鎖されているようでした。
韓日友好の広場の碑の右となりに立つ「韓國人殉難者之慰霊碑」は、第二次世界大戦中に北海道各地の炭鉱で強制労働のため亡くなった韓国人の慰霊碑です。
昭和35年に建立され、台石を含めると約4mほどの高さ。
『札幌の碑』(1988年、北海道新聞社)は、
「この場所に建立がきまるまでには二転、三転した。当初市内の藻南公園や美香保公園にとの計画もあった。しかし建立当時は、まだ戦後一五年ほどしかへていなかったので、両国の市民感情がしっくりいかず、地元の猛烈な反対にあったという」と記していました。
隣国でありながら、諸問題を未だに解決できないままです……。
次回は、同日にお参りした明王寺のお地蔵さんを予定しています。