· 

屯田の延命地蔵尊

札幌市北区の屯田2番通に面して、赤い屋根のお堂。

お堂の左側(黄色矢印)には、なんと「北区屯田5条4丁目1」という住所表示板。お堂に住所表示があるのは珍しと思います。

 

右側の赤色矢印のところには、次の写真で示した説明書きがありました。

   延 命 地 蔵 

 

  みなさんは、ご存知ですか? あの過去を・・・

このお地蔵様が、立っているわけを知っていますか?

 このお地蔵様は、小谷幸勝さんという人が、昭和五

年に疫病のため倒れた多くの子供の霊をなぐさめよう

と建てたものです。

 昭和五年の夏は、生活環境が悪く、高温多湿の日が

続き、二十四人もの乳幼児が亡くなったのです。

 このお地蔵様は、屯田の人々からは「延命地蔵」

と呼ばれ、親しまれてきました。

 「延命」とは、「命を延ばす」こと、つまり

「命を延ばす地蔵」ということです。

ただ、みなさんも通りすぎるだけでなく、

 ぜひ、一度お参りしてみて下さい。

 

 平成十一年八月 屯田南小学校 六年代表

                 森 春菜

                 小笠原麻衣

                 白戸真実

 

このお堂がたっているのは小谷家の庭の一角。屯田南小学校は直線距離で後方200mほどのところです。

 

昭和5年の疫病とはどのような病気だったのでしょうか?

昭和5年生まれとして、その子がいま存命であれば92歳……。

そして、この説明を書いてくれた子どもたちは、いまは35歳か36歳です。

 

 

コロナ禍の折、お地蔵さんもマスクを着用していました。

チョット失礼して、マスクを外したときの写真も。

お地蔵さんが右手に執る錫杖は、先端が尖り、円環は3個。

左手に捧げ持つ宝珠には、薄青い着色がありました。

『札幌の碑』(北海道新聞社)に、建立年は昭和6年8月と記されていましたが、尊像の台石の刻みは昭和5年10月、お堂の前の手水鉢(?)にも昭和5年9月の刻みが見られました。

お堂のなかには、「世界人類が平和でありますように」との掲示(水色矢印)が張り出されています。

 

ロシアのウクライナ軍事侵攻が一刻でも早く終結し、新型コロナの流行が早く収まってほしいものですね。

 

「世界人類の平和」はいつのことでしょうか…。