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観音寺(中央区)のお地蔵さん

札幌には、観音寺というお寺が中央区と北区にあります。今回の話は、中央区旭ケ丘の観音寺。

その境内におたちの大きな三面地蔵さんは、本ホームページでも紹介しました。(https://onl.sc/BLBWMy8

 

観音寺には、等身大ほどの観音さまが数体まつられています。

三十三観音をまつる観音堂の前には、わらべ地蔵さん。観音寺の御詠歌が刻まれた石碑もありました。

左は門前の写真で、その手前にまつられていた石仏群が中央の写真。右は3体のお地蔵さんのアップ。

中央の如意輪観音のアップ。

 

ここから藻岩山(536.8m)の山頂まで、32体の観音像が安置されていて、そのうちの一番観音がこの観音さまです。

台石に

「第一如意番観音」

「ふだらくや きしうつなみは みくまのの

なち乃おやまにひびくたきつせ」

と刻まれ、裏面には仏師の名前とともに、「明治三十四年」とありました。

 

観音寺は昭和25年に寺号公称を得て「藻縁山 観音寺」となったお寺ですが、その歴史はかなり古いのです。(https://sapporo-kannonji.com/about.html

 

「さっぽろ歴史散歩 山の辺の道――定山渓紀行」(山崎長吉著 北海道出版企画センター)に、「藻岩山頂までは三二の観音を安置し、最後の三十三観音の十一面観音を一番観音の近くに安置したのは登山できない者でもご利益が与えられるように願って、観音寺本堂手前二番目に安置した。小型の石像である」とありました。

その三十三番目の観音像は、三面地蔵さんの向かいに安置されていました(黄色の矢印)。

6体の石仏群の左から2番目が、三十三番目となる十一面観音。右端には小さなお地蔵さん。

「登山ができない人でも、ご利益が与えられるように、三十三観音の一番目と三十三番目の観音さまをお寺の境内に祀った」とは、大変ありがたい話ですね。誰もが三十三ヶ所巡りをできるのですから。

 

初夏の頃に、三十三ヶ所と藻岩山の山頂近くにあるという観音寺の藻岩観音奥之院をお参りしたいものです。