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砥山のお地蔵さん

札幌市南区砥山(とやま)地区の上砥山の字路です。交差点に接した農地内に小祠が二つ。

祀られていたのは、宝性地蔵さん(右)と延命地蔵さん(左)。

 

お参りしたのは3月中旬でしたので、両尊ともまだ冬着姿でした。「冬を少しでも暖かく過ごしてもらうためにね」とは、農家の方のお話。両像とも隠れた両手はしっかり合掌していました。

こちらが宝性地蔵さん。南区役所ホームページによると、旧簾舞発電所水路での水難者を慰霊するため、昭和39年(1964年)に、この土地の所有者の上山家が建立。

簾舞発電所は大正9年に完成し、昭和46年まで運転をしていました。

 

こちらは延命地蔵さん。南区役所ホームページは、同水路で水難した8人を慰霊するため、上砥山の上村家が昭和39年(1964年)、下砥山に建立したと記していました。

 

延命地蔵さんは下砥山(青丸)から、直線距離で約2kmほどの現在地(赤丸)まで引っ越して来られたのです。

「歴史のあしあと 札幌の碑」に、「市道が小金湯に抜ける国道のバイパスとして整備された際に、お地蔵様を現在地に移したものと思われます」とありました。

 

お地蔵さんの真向かいは観音岩山(標高498m)。

昔は五剣山ともいい、今は八剣山と呼ばれることが多い山です。

 

国土地理院の地図は観音岩山と記しています。山の麓に観音が祭られたことから、このような名前がついたとのことです。

安山岩の柱状節理を露出させていて、低い山ですが毎年のように登山者の滑落事故が起きています。

 

八剣山と呼ぶのもいいのですが、登山者の安全を祈念して山には観音さん、山の麓にはお地蔵さんという意味から、観音岩山と呼ぶ方がいいな……と思います。