札幌市西区にある三角山は、標高311m。
その美しい山容と、市街地から近いことなどから、市民に親しまれています。
区役所のパンフ『西区まちナビ』の6ページに、
「山の名前の由来は、きれいな円すいを描く山容がまさに三角形だからなのか、国土地理院が山頂に設置した一等三角点があるからなのか、定かではありません」とありました。(https://www.city.sapporo.jp/nishi/syoukai/midokoro/index.html)
さて、どちらの説を取るべきでしょうか?
このパンフの三角山は、最も美しく見えるとされている山の手草ぶえ公園で撮影したものと思われます。
「きれいな円すいを描く山容」の代表格は富士山(地図左)。等高線が同心円を描いています。
ところが三角山の場合(地図右)は、きれいな同心円とは言えません。山頂から標高200mまでの距離は、北北東の斜面(青矢印)が他3面(赤矢印)よりやや長く、傾斜が緩やかです。(両地図とも国土地理院のHPから掲載、地図はワンクリックで拡大。)
その影響は樹々が葉を落とした冬になるとよくわかります。左の写真は草ぶえ公園からの望遠撮影。
写真中央は公園から約500m東寄りのDCM店で撮影したもので、右はその望遠撮影。三角山が二重に見えます。
公園から南東に約500m離れた浄国寺の駐車場から望むと、右側に小山があるように見えます。
このように比較的近いところから三角山を望むと、「きれいな円すいの山」には見えません。
右の地図は、草ぶえ公園、DCM店、浄国寺駐車場の位置。草ぶえ公園から三角山までは1km。
東へ約5km離れたテレビ塔から望む三角山。左右の斜面の傾斜がやや異なって見えますが、遠望するとほぼ三角。
これはNHKの気象情報やニュースの時に見られるおなじみの風景です。
写真はテレビ塔のHPから借用しました。(https://www.tv-tower.co.jp/enjoy_view.html)
北へ約1.2km離れた西友西町店からの遠望もやはり三角。
西に1.2kmのところにある左股橋から見ても緩やかな三角。
草ぶえ公園から望む三角山の四季です。
上段、春(4月中旬)、夏(8月中旬)。下段、秋(10月下旬)、冬(1月中旬)。
望むところによっては「きれいな円すいを描く山容」とは言えない三角山。
でも、私個人としては、「三角点があるから三角山」と言うよりは、「三角形に見えるところがあるから三角山」の説を、
支持したいと思います。皆さんはどう思いますか。