散歩の途中、札幌市中央区にある、宮の森こだま公園に立ち寄りました。
子どもたちが遊んでいる後方にマツの木が3本。
左の1本はアカマツ(赤矢印)で、右の2本はクロマツ(黒矢印)。
アカマツとクロマツを対比させて植栽したものと思っていました。
ところがこの日、クロマツと思っていたマツの太い幹からモジャモジャと葉が出ているところを見つけました。
もしやと思い確認すると、付け根(短枝)から束ねて出ている葉は3本。
マツ属の仲間は針状の葉が、束になって枝についています。
アカマツやクロマツなどの葉は一束2本。北海道で一般的に見られるマツは、一束2本のマツは6種です。
一束3本の葉のものはリギダマツだけで、一束5本の葉のものはキタゴヨウやハイマツなど5種です。
素人考えでクロマツと思っていたマツは、葉が幹から直接出ることがあるのと、一束3本の葉という特徴からリギダマツでした。
佐藤孝夫著『新板 北海道樹木図鑑』によると、リギダマツ(学名:Pinus rigida)は北アメリカ原産の常緑樹。
道内では公園などに植えられるとのことです。アカマツやクロマツのように一般的ではないので、掲載していない図鑑もあります。
下は草むらに落ちていた球果(松ぼっくり)。左はアカマツ、右はリギダマツ。形は似ていますが、リギダマツは、厚いひだのような部分(果鱗)の先端に鋭い1本の棘があります。
枝についている若い松ぼっくりで、左と中央は横から、右は真下から撮したところです。
鋭い棘があり、撮影時に私の指先をちくり。2度も血を流してしまいました。
落ちた松ぼっくりの棘はやや鋭さを欠いていましたが、子供がさわれば出血間違いなし。
幼い子が強風で落ちた松ぼっくりをつかんだら・・・。ゾッとします。
先の図鑑に、リギダマツの松ぼっくりは10〜12年もの間、枝上に残るとありました。見上げると鈴なり状態です。
こだま公園にはヨーロッパトウヒ(ドイツトウヒ)も植えられていましたが、この松ぼっくりは写真のように、大きいけれど棘がなくてやわらかです。
ウィキペディアによると、リギダマツは木材利用としてはあまり有用でないため、日本では植物園や公園に少数が生育するとのこと。
子どもたちが集まる公園ではリギダマツに要注意。以上、松ぼっくり注意報でした。