先月末(10月30日)、札幌市北区の麻生に出向いたので、けっぱれ地蔵さんをお参りしてきました。
この地蔵さんは神出鬼没。どこにお立ちかわからない場合が多い仏さまです。
ですが、その日はちょうど北洋銀とイオンの道路向かいで小祠を見つけました。
しばらくぶりのお参りです。
「オン カカカ ビサンマエイ ソワカ」と地蔵の真言を唱えたところで、いつものお地蔵さんと少し様子が違うことに気づきました。
帰宅して、以前に撮影した写真と見比べてみました。左が現在、右が2018年の尊像です。
おもな相違点は次ようなところです。
現在のお地蔵さんは昔のお地蔵さんに比べて、
・色白だが、白毫(びゃくごう)がなく、
・合掌の仕方とお数珠に違いが見られる。
・袈裟の袖がやや短く、裳裾に襞がある。
・両足をのぞかせている。
特に、現在の地蔵さんには白毫(びゃくごう)がないところが気になります。左は現在、右は2018年の尊像。
白毫(びゃくごう)とは、
仏さまの眉間のやや上に生えているとされる白く長い毛。右巻きに丸まっていてホクロのような突起物です。
仏さまはここから光を放ち世界を照らして、悩み苦しむ人たちを救うと言われています。
白毫をもつ仏さまは、如来と菩薩。
お地蔵さんは菩薩ですので、古い野仏などでは摩滅している場合もありますが、ふつうは白毫があります。
「麻生けっぱれ地蔵」で検索してみたところ、ユーチューブ(TV「イチオシ」の報道)に次の内容の動画があり、これまでの経緯がわかりました。
「8月9日午後10時すぎころ、麻生中央整骨院前に祀られていた重さ20kgほどの地蔵尊を、自転車に乗せて立ち去るものがいて、それを防犯カメラがとらえていた。
地蔵尊は翌10日の朝、麻生郵便局前で発見されたが、胴体部分に損傷があり、修復が困難なところから、管理をしている「麻生商店街振興組合」は新しいお地蔵様を設置する予定」とのこと。
麻生けっぱれ地蔵さんは2008年の生まれでした。(2022年広報さっぽろ)
今回の事件は寂しいことですが、お堂の右後ろ壁面に「かいとくん作」の微笑ましい絵が掲げられていました。
麻生けっぱれ地蔵は、みんなに愛され続けているお地蔵さんです。