前回報告した誓願寺と佛願寺とは、直線距離で100mほど。
誓願寺へ行くため佛願寺の前を通った折のことです。以前はなかった「子宝地蔵」の赤い旗がたくさん並んでいました。
子宝地蔵さんに手を合わせて、
ふと右横をみると、六地蔵さんの前に、その名称と賽銭箱が新たに設置されていました。
写真は、左が令和4年6月に撮影のもの、右が令和5年11月です。
六地蔵とは、六道に迷う人々を救う地蔵尊。
檀陀地蔵(だんだ)は地獄道
宝珠地蔵(ほうじゅ)は餓鬼道
宝印地蔵(ほういん)は畜生道
持地地蔵(じち)は修羅道
除蓋地蔵(じょがい)は人道、(除蓋障とも)
日光地蔵(にっこう)は天道
左側のお地蔵さんから順に紹介します。
「檀陀地蔵菩薩 怒りや悲しみから離れ、優しい心で生きるよう導いてくださる」
「宝珠地蔵菩薩 欲で身を滅ぼす事なく、感謝して生きる幸せに導いて下さる」
「宝印地蔵菩薩 不安や恐れから離れ、明るい心で生きられるよう支援して下さる」
「持地地蔵菩薩 人も自分も傷つけず、命を大切にして生きるよう導いて下さる」
「除蓋地蔵菩薩 佛様に出逢い、本当の幸せに辿り着けるよう導いて下さる」
「日光地蔵菩薩 善い行いを続け、喜び多い日々が得られるよう応援して下さる」
六地蔵の名称は上記以外に、
◯ 延命・宝処・宝手・持地・宝印手・堅固意
◯ 地持・陀羅尼・宝性・鶏亀・法性・法印
など諸説があります。
また、持物(じぶつ)も、香炉、花筥、念珠、蓮華、幢などいろいろです。
六地蔵について速水 侑氏は『地蔵信仰』(塙書房、1975年)で、
「六地蔵について説いている経典は、すべて日本で、平安末期か鎌倉初期に偽撰されたものであった。それらは台蜜や東密の僧侶の意楽―個人的意向―で作りだされたのだから、六地蔵の名称や形、あるいは六道への配当などが、はっきりした教義的うらづけのないまま、区々として一定しないのは、当然である。」と語っていました。
左は滝野霊園、右は龍興寺の六地蔵さんで、名称表示がありませんでした。
佛願寺の名称表示はありがたいですね。